7月10日、車で高過庵へと向かう。もうすぐ到着だろうと思いながら山道を運転している僕の目に、突如として木々の上へニョキッと、雑誌で見た通りの高過庵が現れた。それは、異様な形態であるにも関らず、僕の目には自然に風景と調和して見えた。そして、『考えりゃわかる』が口癖(?)の藤森氏のお父さんと一緒に見学が始まった。
 高過庵へのハシゴをかけ、僕は、こともあろうに一番に昇らしてもらうことができた。シンプルな、二畳か、それよりも少し広いかぐらいの部屋であり、ゴザをしいたような仕上げであった。その中に、ちゃんと炉がきってあり、茶の道具も置いてあった。そして、天井のトップライト部は、金箔かどうかは不明だが金色になっており、とても可愛い印象をうけた。揺れるとかなり怖かったが、将来、僕もこのような高過庵的な建物を建てたいなぁと素直に思った。