高過庵は突如として私たちの目の前に現れた。

 まるで、絵に描いたようなかわいらしい形が思わず私を微笑ませた。あたかも古代にタイムスリップしたかのような空間がそこにはあった。現代建築でありながら、現代建築にはない趣がある。大自然の中でそのたたずまいは立派な存在感を発揮し、それでいて自然と溶け込んでいた。

 6メートルも高さのある茶室はなるほど眺めがよく、心地よい空間になっていた。中は意外と広く、5人入っても余裕だった。さすがに少しばかり揺れはするが…。けれど、その小さな空間とその高さと揺れを感じるのでさえ私をわくわくさせた。そんな高過庵はすごい!