かたちとコンテクスト−引用による都市連鎖的ノート

ここでは巷に溢れる名キーワードの、とりわけ都市連鎖的読み方を紹介する。特に事物が成立する上での基本概念「かたちとコンテクスト(キーワード3)」は今回の主人公であり、論理の導き役である。これらの引用を活用した上で、後に都市連鎖を《詠む》にあたっての、さらなる拡張キーワードを提案してみたい。

●キーワード3 かたちとコンテクスト
都市をも含め、全ての事物は、そのかたちとその意味機能を決定するコンテクストとで構成される。それでは、あるかたちと、それを要望し、役立てようとするコンテクストとは、いったいいかなる関係にあるのか。それが常に固定的であるならば、都市の連鎖的変容など起こりうるはずがない。
両者についての定義は、クリストファー・アレグザンダー著『かたちの合成に関するノート』の冒頭部分に最も明解なかたちで定義されている。それによれば、かたちとは、我々がコントロールできる世界の一部分であって、その世界のほかの部分をそのままにしておきながら、我々が姿を与えることのできる部分である。またコンテクストとは、この世界のかたちに対して要求を提示する部分である。この世界でかたちに対する要求となるものはすべてコンテクストである。
この定義においては、一見かたちはコンテクストの優勢によってのみ決定される従属的なものであるかのようである。しかしながら、同時にこの記述は集合論的でもあることに注意せねばならない。つまり両者の関係は区分なのであり、その区切りは可変である。彼はヤカンを例にこう述べている。
「アンサンブルを形とコンテクストに分ける方法は、一つだけではないことを知るべきである。…非常に多くの実例では、幾つかの異なった、そして重複するアンサンブルの分け方を同時に考慮することがデザイナーにとって必要になってくる。…別に考えれば、デザインのやり直しを必要とするのはヤカンではなく、ヤカンを熱する方法である…。この場合ヤカンはコンテクストの側となり、コンロがかたちの側となる。」

(中谷)


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