中谷礼仁 主要論文(2001まで)

(著書)
1国学・明治・建築家
-A Study of Structural Characterisitics in Nationalism of Modern JAPANESE Architecture
単著
平成5年10月
(株)一季出版
本書は、日本近代建築の言説空間の特徴を近世国学との影響関係によってとらえ、その問題点をあらわにした。
明治期においては美術概念が建築に与えた特異性。大正期においては耐震構造学に内在するナショナリズムが美術概念を疎外していく過程。昭和期の丹下健三を通して、それらの二項対立が統一されていく様を論証した。
A5版、pp.261

2建築巨人 伊東忠太
共著
平成5年8月
(株)読売新聞社
本書は日本近代最初期の建築史家であり汎アジア様式を得意とした建築家でもあった伊東忠太博士の、業績をまとめた。阿部好宏、荒俣宏、飯島洋一、伊東祐信、稲葉信子、小出正志、祖田浩一、高田裕史、中島渉、長尾衣里子、畠山健二、藤田晃充、藤原恵洋、藤森照信、八重樫育生、山下定、ラズウェル細木。担当、忠太のかけらを捜して(p162-174)執筆。
A5版、pp.206

3旧小林古径邸について-近代和風住宅の解体実測を中心とした調査研究-
共著
平成6年4月
財)第一住宅建設協会
(財)地域社会研究所
本書は、近代数寄屋の大成者として知られる建築家・吉田五十八の初期作品である旧小林古径邸についての詳細な解体調査報告書である。中川武、中谷礼仁、村上素子、西島匡徳、末政潤、椋梨幾男。担当、全体運営、編集、執筆。
A4版、pp.92+図面集


4数寄屋の森
共著
平成7年3月
(株)丸善
本書は、和風空間の代表である数寄屋建築に焦点を当てて、その成り立ちや特徴、素材、技法、現代との関連まで多岐にわかりやすく解説した。中川武、中谷礼仁、織田淳、井上雅弘、岸未希亜、菊池潤衣、昼田好行、滝川淳。担当、企画ならびに編集主幹、3章 近代は数寄屋をどう変えたか(p105-156)ほか執筆。
A5版、pp.334


5磯崎新の革命遊戯
共著
平成8年12月
TOTO出版
本書は、建築家磯崎新氏と若手評論家とが、革命期における建築のもつ問題構制を論じたものである。磯崎新、田中純、中谷礼仁、松原弘典、五十嵐太郎、木下直之、稲葉信子、三宅理一、貝島桃代、塚本由晴。担当、幹事ならびに第二章 世界・建築・地図」(p121-128)ほか執筆。
A5版、pp.326


6大正初期・都市型中流住宅の研究
共著
平成9年4月
(株)丸善
本書は建築家・岡本宗太郎の自邸の解体調査を中心に、大正初期の見過ごされていた初期近代都市の住宅の特徴をまとめたものである。中谷礼仁、堀紳一朗。担当、幹事ならびに執筆
A4版、pp.69


7建築MAP京都
共著
平成10年1月
TOTO出版
 本書は、京都に存在する古代から現代までの建築を集めたガイドブックである。石田潤一郎、木下光、中谷礼仁、長田直之、米山勇ほか15人。担当、幹事ならびに執筆。
変形B5版、pp.289


8 日本建築様式史
共 著
平成 11年8月
美術出版社
 本書は、日本建築を様式史的にとらえた平明な解説書である。太田博太郎、藤井恵介、中谷礼仁、大野敏、平山育男、後藤治、丸山茂、光井渉、その他8人。担当「近代・明治大正昭和初期まで」(p.130-154)執筆。
A5版、pp.216



(学術論文)
1螺旋塔之図と学会准員阿部今太郎について 日本近代における伝統的建築技術の継承、変質の研究-1
共 著
平成9年1月
日本建築学会計画系論文集 491号, p205-211
本論は、明治期に特異な活動をした宮内省の営繕技師と彼の発案によるプロジェクトであった螺旋塔を採り上げ、近代における伝統技術の発現の仕方、その位置づけについて実証的に論じたものである。中谷礼仁、倉方俊輔。担当、発案、執筆計画、本文作成、校正、取りまとめ。

2項目分析から見た明治期公刊規矩術書における伝統技法の継承と変質 日本近代における伝統的建築技術の継承、変質の研究-2
共 著
平成9年5月
日本建築学会計画系論文集 495号, p255-262
本論は、日本の近世と近代とを通底して存在していた、規矩術と呼ばれる伝統建築技術を取り上げ、現存する関連書籍を悉皆分析し、その近代性の萌芽を紹介したものである。中谷礼仁、中川武、倉方俊輔。担当、発案、執筆計画、本文作成、校正、取りまとめ。

3洋式適用規矩術 明治期における在来建築技術の変容、その一例証として
単著
平成10年9月
「建築史学」第31号, p38-82,建築史学会
本書は、日本の近世と近代とを技術的領域で接続する役目を果たしたと思われる特異な規矩術を取り上げ、それを洋式適用規矩術と命名した。この技術によって大工が答辞流入してきた洋式建築をどのように分析、客観化しえたかを紹介、論じた。

4 近代アメリカでの日本建築ならびにその従事者に対する認識の変遷と構造分析
建築における異文化交流の事例として
共著
平成12年2月
『研究年報』No.26, 1999年版、p.59-p.70, 財団法人住宅総合研究財団
近代建築における異文化交流の一端として、近代アメリカにおける日本建築およびその従事者についての認識の変遷を構造的に把握することを目的に、1870年代から第二次世界大戦までのアメリカの建築関連雑誌(購読層の異なる5誌を選定)に掲載された日本関連の記事を抜粋し、収集分析を試みた。

(フィールドワーク)
1墨田区文化財調査報告 鈴木家住宅実測調査報告書
単著
1992年1月
東京都墨田区

2晃華学園内旧田中邸記録保存調査報告書
単著
1993年1月
東京都調布市

3羽村市文化財調査報告 神明神社実測調査報告書
単著
1993年10月
東京都
羽村市

4近代大阪における伝統的長屋群の変容過程の研究
単著
2000年3月
大阪市立大学工学部建築学科建築デザイン研究室

(作品)
1.K邸(作品名 63)
実測解体調査
分析
設計
監理
平成13年3月竣工
大阪市立大学工学部建築学科建築デザイン研究室


(総説、解説)
1地図にない町
単著
平成5年1月
「建築文化」1993年1月号, p37-40,((株)彰国社
本論は、80年代後半から90年代初頭までの、いわゆるバブルの時代の建築を扱っている。その無根拠性から翻って、日本近代そのものに通底するバブルとの共通点を論じている。

2カイロの宝探し 伊東忠太のフィールドノートをめぐって
単著
平成6年4月
「すまいろん」1994年春号, p46-50,(財)住宅総合研究財団
近代日本最初期の建築史家である伊東忠太博士の世界旅行記を扱ったもの。特にエジプトを紹介した。

3「さいたまアリーナ」での「予期せぬ出来事」をどう捉えるか-のっそり十兵衛としての公開国際
単著
平成7年11月
「建築雑誌」1995年11月号, p18-31,日本建築学会
平成7年当時、ゼネコンにおける談合疑惑と透明性を求めるコンペとが交錯した。その際に審査過程において不明瞭な部分を残したとされる案件についての、複数の関係者よりなるインタビューと展望。

4戦後住宅は歴史足りうるか
単著
平成8年6月
「すまいろん」1996年夏号,p24-30,(財)住宅総合研究財団
日本近代における戦後の住宅の様相を歴史化する際に経なければならない課題を述べたもの。

5近世と近代はなぜ切れているのか:日本の建築史学における「境界」を越える方法
単著
平成8年10月
「建築雑誌」1996年10月号, p47,日本建築学会
通常の建築史学において分断されている近代以前と以降とを連続させることの必要性と新しい視点の萌芽を述べたもの。

6革命の建築博物館 篤胤的なる建築者批判
単著
平成8年11月
「新建築」1996年11月号, p95-98,(株)新建築社
磯崎新の企画による建築展覧会の史的意義と枠組みを述べたもの。

7適性から混血へ 日本建築技術史の特質から見えてくるもの
単著
平成9年3月
早稲田建築1996, p54-55, 稲門建築会
日本近代建築初期における、通常の技術的視野では納まらない動きを持つ実例を挙げ、その近代における限界と意義を紹介した。

8数寄屋を読む 解体実測の楽しみ
単著
平成9年4月
「すまいろん」1997年春号, p39-45,(財)住宅総合研究財団
解体を伴う建築実測調査の方法論と、その意義を実例を紹介しながら述べたもの。

9「造家」から「建築」へ 学会命名・改名の顛末から
共著
平成9年8月
「建築雑誌」1997年8月号, p13-21,日本建築学会
1897年における日本建築学会の造家学会から現名称への解明の経緯を明らかにし、その意味を論じた。中谷礼仁、金行信輔、倉方俊輔、清水重敦、山崎幹泰。担当、企画、取りまとめ、執筆

10「建築価値の継縦的更新のための技術的視点」
単著
平成10年10月
日本建築学会『時間・建築・環境 ライフサイクルマネジメント基本問題特別研究委員会報告書』、p.55-57
建築の技術的更新は、その意味的更新をも考慮する必要がある。ここでは逆に更新を歴史的継続的な視点の中でとらまえた際に発生する、技術的、意味的特徴を論じた。

11「在来構法の成立過程における耐震技術的諸課題」
単著
平成10年10月
同『時間・建築・環境 ライフサイクルマネジメント基本問題特別研究委員会報告書』、p.61-63
いわゆる木造建築における在来構法は、伝統的構法ではなく、近代と伝統との課題の多い折衷案であることを指摘した。

12非常時建築「こわれないスラム」とスクラップ&ビルド
単著
平成10年10月
同『時間・建築・環境 ライフサイクルマネジメント基本問題特別研究委員会報告書』、p.67-70
建造物の継続的な更新は、壊れないことに力点を置くのではなく、むしろこわれやすいものを如何に保っていくかにあることを実例を挙げて紹介した。

13発明の射程(連載:建築の解体新書)
共著
平成10年12月
『10+1』No.15, p.226-233,INAX出版
日本建築の新しい支店による読解を試みる連載。本論では、日本建築を規定した発明物とその敷延性を明らかにしている。岡崎乾二郎、中谷礼仁、担当、企画、執筆。

14建築の訓読を巡っての書簡(連載:建築の解体新書)
共著
平成11年3月
『10+1』No.16 p.216-225,INAX出版
同連載。本論では、日本建築の特異な構成法である廂、廊下空間を採上げ、その歴史的推移ならびに日本言語論との謹慎性を指摘している。岡崎乾二郎、中谷礼仁。担当、企画、執筆。

15テニヲハと納まり(連載:建築の解体新書)
共著
平成11年6月
『10+1』No.17, p.013-019,INAX出版
同連載、本論では、さらに日本ご論との近似性を追及し、その歴史的特質について言及している。岡崎乾二郎、中谷礼仁、担当、企画、執筆。

16 建築と古文字学(連載:建築の解体新書)
共著
平成11年9月
『10+1』No.18, p.021-028,INAX出版
建築の歴史を発生させる史的根拠の取り扱いについての検討。岡崎乾二郎、中谷礼仁、担当、企画、執筆。

17 自明の理の発見(連載:建築の解体新書)
共著
平成12年6月
『10+1』No.20, p.010-018,INAX出版
建築史と時空間の創出との関係についての論考。岡崎乾二郎、中谷礼仁、担当、企画、執筆。

18  建築の定義と無意識(連載:建築の解体新書)
共著
平成13年1月
『10+1』No.20, p.017-028,INAX出版
幕末から明治にかけての建築概念用語である「造家」と「建築」との関係をめぐる考察。岡崎乾二郎、中谷礼仁、担当、企画、執筆。

19 亀裂の保存 中村達太郎『日本建築辞彙』を読む
単著
平成12年1月
『建築文化』p.66-71, 彰国社
日本近代初の建築辞書『日本建築字彙』における特異な編纂方式とその史的意味について。

20 ノート〜『日本の民家』を中心として
単著
平成12年1月
『建築文化』p.86-89, 彰国社
あまり論述されない考現学以前の今和次郎の民家研究の20世紀的意義を指摘

21 Architecture at the Edge
単著
平成12年10月
オランダ建築博物館、日本建築展カタログ
日本建築?ノおける住宅に込められた表現の可能性と限界について

22 「高さ計画」の由来と将来
単著
平成13年4月
「すまいろん」1997年春号, p38-45,(財)住宅総合研究財団
従来見過ごされがちであった建築計画における高さの検討の可能性を歴史的に解説

23 わが解体
単著
平成12年2月
「住宅建築」299号、p.6-13、建築資料研究社
建造物の解体実測から判明する建築的認識の事例を解説


(講演発表論文)
1日本近代建築成立におけるナショナリズムの構造とその特質 日本近代建築における表出史の研究1・1
共 著
平成5年8月
1993年度本建築学会大会学術講演梗概集F, p1489-1490
本論は、日本近代建築に通底していた国民国家観、いわゆるナショナリズムによって、その構造を分析把握したものである。六反田千恵、中川武、中谷礼仁。担当、発案、執筆計画、本文作成、校正、取りまとめ。

2日本近代建築における「自律」するナショナリズムの史的根拠 日本近代建築における表出史の研究1・2
共 著
平成5年8月
1993年度日本建築学会大会学術講演梗概集F, p1491-1492
本論は、上記論文に続き、その原形としての国学の論理構造を扱い、それを日本近代建築を規定する枠組みとして紹介、論じたものである。中谷礼仁、中川武。担当、発案、執筆計画、本文作成、校正、取りまとめ。

3阿部今太郎研究〜プロジェクト螺旋塔と隠された技術について
単 著
平成6年4月
「建築史学」第23号, p89-90,建築史学会
本論は、明治期に特異な活動をした宮内省の営繕技師と彼の発案によるプロジェクトであった螺旋塔を採り上げ、近代における伝統技術の発現の仕方、その位置づけについて実証的に論じたものである。担当、発案、執筆計画、本文作成、校正、取りまとめ。

4旧小林古径邸解体実測調査1 いわゆる吉田流との共通点、および相違点 日本近代建築における表出史の研究4・1
共 著
平成6年9月
1994年度日本建築学会大会学術講演梗概集F, p1443-1444
本書は、近代数寄屋の大成者として知られる建築家・吉田五十八の初期作品である旧小林古径邸についての詳細な解体調査報告である。ここでは特に、吉田特有の様式(吉田流)との共通点ならびに相違点を述べた。椋梨幾男、中川武、中谷礼仁、末政潤、西島匡徳、村上素子。担当、発案、執筆計画、校正、取りまとめ。

5旧小林古径邸解体実測調査2 設計図面と竣工作品との相違による建設過程、およびボルト貫についての考察 日本近代建築における表出史の研究4・2
共 著
平成6年9月
1994年度日本建築学会大会学術講演梗概集F, p1445-1446
本論は、上記論文に続いて、吉田流と実際の建築作品との相違点を、吉田による設計図ならびに施工時の実際との比較によってさらに分析したものである。村上素子、中川武、中谷礼仁、末政潤、西島匡徳、椋梨幾男。担当、発案、執筆計画、校正、取りまとめ。

6旧小林古径邸解体実測調査3 近代木構造における古径邸-ボルト貫の史的性格について 日本近代建築における表出史の研究4・3
共著
平成6年9月
1994年度日本建築学会大会学術講演梗概集F, p1447-1448
本論は、上記論文に続いて、解体実測中に見いだされた、ボルトを用いた特殊な用法について分析し、それが伝統的技術との連続点を持つものであることを指摘した。西島匡徳、中川武、中谷礼仁、末政潤、、椋梨幾男、村上素子。担当、発案、執筆計画、校正、取りまとめ。

7螺旋塔之図と学会準会員阿部今太郎について 日本近代建築における表出史の研究5.1
共著
平成7年8月
1995年度日本建築学会大会学術講演梗概集F, p59-60
本論は、明治期に特異な活動をした宮内省の営繕技師と彼の発案によるプロジェクトであった螺旋塔を採り上げ、近代における伝統技術の発現の仕方、その位置づけについて実証的に論じたものである。西窪洋平、中川武、中谷礼仁、倉方俊輔。担当、発案、執筆計画、本文作成、校正、取りまとめ。

8螺旋塔とその前提としての明治以降規矩術 日本近代建築における表出史の研究5.2
共著
平成7年8月
1995年度日本建築学会大会学術講演梗概集F, p61-62p
本論は、上記論文に続いて、阿倍野計画案の背景に、日本の伝統的建築技術であった規矩術との深い関連があることを指摘した。中谷礼仁、中川武、倉方俊輔、西窪洋平。担当、発案、執筆計画、本文作成、校正、取りまとめ。

9明治大正期における造家-建築学会の構成員数ならびに「建築雑誌」記事発表主体の動向について
単著
平成9年9月
1997年度日本建築学会大会学術講演梗概集F, p5-6
本論は、建築界のアカデミイである日本建築学会における第二級の会員(準員)の明治から大正にかけての動向について触れたものである。大正期にかけて彼らの活動が鈍化するのは、日本建築学会ひいてはアカデミイの社会的役割が変質したことを示している。

10行為としての建築史は可能か 日本の近世から1970年代まで
単著
平成 10年9月
「第2回アジアの建築交流国際シンポジウム論文集」,p75-78,日本建築学会
本論は、アジアにおける建築史学の特質の抽出をテーマとするシンポジウムのために作成された。日本の建築史学を近世の有職故実からの連続を持つものととらえ、実践的な方法が、それを乗り越えていく方法であることを、実例を挙げて論じた。

(博士論文)
工学博士論文
 論文題目
「幕末・明治期規矩術の展開過程の研究」
(Study on the development of  KIKU-JUTSU, Geometry in Japanese Traditional Architecture, aplied to Western Architecture)   」
単 著
平成10年3月
早稲田大学、博士(工学)
本論は、日本の近世と近代とを通底して存在していた、規矩術と呼ばれる伝統建築技術を取り上げ、現存する関連書籍を悉皆分析し、その近代性の萌芽を紹介したものである。また後半においては、日本の近世と近代とを技術的領域で接続する役目を果たしたと思われる特異な規矩術を取り上げ、それを洋式適用規矩術と命名した。この技術によって大工が答辞流入してきた洋式建築をどのように分析、客観化しえたかを紹介、論じた。