歴史工学研究とは何か

中谷礼仁


ここから私の専門の建築分野の話です。
私15年ほど建築史研究という分野にいたのですが、
石山修武と言う、潰れたジェームス・ディーンのような顔をした
建築家から、
「お前、歴史も使えなきゃダメヨ」
といわれて、それがトラウマの一つになっていて、
最近は設計をはじめました。特に修理も扱います。

だいたい建築と言うか身の回りの建築的事物は、
近過去のものを含めてその大部分が、過去のものであります。
現在は、過去の集積によって成り立っているとしか
思えません。

ある形態を存続させるための妥当な全体性こそが
伝統と呼ばれるものの核であります。
その吟味は因習の保持者に任せることは残念ながらできません。
手術が必要です。
すでにあったものと新しい要素を如何に組合わせ、その全体性を造り保持するかというサイエンティフィックな視点が必要です。



新しくて一番古い工学
芸術的かつ技術的な構築術。
それが歴史工学研究です。



歴史工学研究の紹介論文「住まいは誰のものか」
「歴史の中のコンバージョン」(020808)


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