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時空間に位置する研究室をめざして

過去は「あった」のではなくて「いる」。道路を曲げて敷設させるもの言わぬ古墳、建売住宅群と化した条里制の水田、量販店に鞍替えした倒産した紡績工場…それはなによりもまず物理的に現在に影響を与えているではないだろうか。

中谷礼仁研究室では、従来の建築史研究をもとに「歴史工学」という新しい学的ジャンルを打ち立てた。時間の異なる事物の混在の仕方、活かし方を研究するのが目的である。

結果として私たちの研究室では新旧が入り混じる、立体的な学問空間を作り上げている。歴史的建造物の保存活用提案、環境学や民俗学などとの連携による千年スパンで続いた都市や集落の原因解明とその評価、近代黎明期の西洋における建築文献の翻訳研究、早稲田建築をはじめとしたアーカイブ研究、歴史的事物の新カテゴリによる再配置などである。

中谷礼仁

 

Aiming a laboratory located in space and time

 

The past exists, not existed. It affects our present times.

Based on traditional architectural history research, the laboratory has established a new learning branch, namely “Research on temporal aspects of architectural expression(Rekishi-Kogaku)”.

We have been studying how objects and happenings coexist in different times, and how to utilize them.

Specifically, we propose the preservation and use of historical buildings, analyze and evaluate the cities and settlements which have remained for 1000 years (collaborating with landscape architecture, folklore and other disciplines), study and translate European architectural documents in early 20th century, study archiving (c.f. Waseda architecture) and rearrange historical things in new categories.

Norihito Nakatani

The Believers ゼミ

HANDS TO WORK, HEARTS TO GOD. 手は仕事に、心は神に。18世紀後半、アメリカに渡り独自の生活を築いたシェーカー教徒たち。本ゼミでは、その姿を描いた歴史小説”The Believers”の翻訳を通して、人間の生き方について問う。

ゼミ概要

歴史小説“The Believers”の翻訳と関連調査を通して、シェーカーコミューンの姿を捉え、「生き方をデザインする」ことについて考察するゼミです。

シェーカー教とは?

1747年、イギリスのクエーカー派から派生し、アメリカに渡ってコミューンを形成。 全盛期には5000人の信者がいたとされるが、独身主義を貫いたために現在では数人が残るのみと言われる。

 

“The Believers”

  • 1957年、アメリカの女性作家ジャイルス(Janice Holt Gailes,1905-1979)が著した歴史小説。
  • 小説内にはシェーカーの生活とデザインとの関係が読み取れる。 こうした描写は一次資料にあたって描かれており、資料価値が高い。
  • 本書を手掛かりとして、一次資料の収集を試みる。

活動内容

  • 翻訳 訳文、訳注、単語帳の作成。一般公開を目標とする。
  • 調査 一次資料や関連文献・研究を収集し、理解をふかめる
  • 勉強会 派生的テーマについて文献や資料を持ち寄り、勉強会を開催する。

千年村計画ゼミ

千年村研究から分節し、建築設計をはじめとする実践可能性の研究、事業化を目的として発足した千年村計画ワーキンググループの活動と並行するかたちでおこなう。地球の自律的活動によって地質基盤、そこへ人為によって上書きされた社会造形(環境利用技術、共同体による地域経営、交通網の構築、およびそれらの重合による集落構造)、両者のあいだを取りもつ具体的計画行為(デザイン)の三者によるすぐれた関係性(=Buildinghood)の構築可能性を理論・実践の双方で研究・発表することを目的とする。

戦後空間ゼミ

「戦後空間」とは、日本の戦後の都市や建築、そのほか物理的実体のない制度や思想、言説の総体をくくり出す言葉である。戦後七十二年を経たいま、日本の戦後都市、建築、社会がめざした理念とビジョンを再検討し、未来へと継承すべき普遍的概念や課題を抽出する。

本ゼミは、2017年に日本建築学会建築歴史・意匠委員会直属ワーキンググループとして発足した戦後空間WGをもととしている。WGは戦後に関する資料の収集、インタヴュー、シンポジウムの企画等を行う活動体で、メンバーには、中谷礼仁のほかに、青井哲人、伊藤毅、内田祥士、ケン=タダシ=オオシマ、後藤治、中島直人、松田法子などがいる。WGの活動への参加を軸として、それらに関するテーマの調査・学習と、そのほか戦後に関する独自テーマの研究を行う。2017年12月には、シンポジウム「民衆・伝統・運動体――1950年代/建築と文学/日本とアメリカ」を開催。

ユートピアに関する勉強会

田園都市、シェーカー・コミューン、千年村、家。これらはすべて「ユートピア」の一例である。本勉強会では、多種多様な「ユートピア」の理解を助けるため、ウィリアム・モリス、パトリック・ゲデス、磯崎新らをはじめとする先人の「ユートピア」についての言説に触れ、その経験をもって他のゼミ活動の理解と方針決定に活かすことを目的とする。