
進行中のゼミ

「被覆」にかける。今、生命力のある実践美学の構築を目指して。ゴットフリート・ゼンパーの「被覆の原則」を足がかりにして、それ以後の建築の表層をめぐる論点をさらいながら、これからのデザイナーにとって「被覆」がどのようなものになり得るかを考察する。

旧渡邊甚吉邸は、銀行員を営む14代渡邊甚吉氏の私邸として1934年に建てられた。日本では数少ない本格的なチューダー様式の建築であり、基本設計から細部設計に至るまで、当時の日本住宅建築の最高水準の経験、知見が投入されたこの建築は2017年に解体された。設計時のスケッチや解体時の記録等、貴重な資料を用いて甚吉邸を通し、日本、および英国の住宅建築への新たな視点を模索する。

After vicissitudes, architecture is doomed to disappear in the long history. However, records in literature can still remain existing because of its immateriality. Arcadia (烏有園) is a fictitious garden in a Chinese article in Ming Dynasty. Owing to such recordation, the spirit of the garden is not going to disappear. Based on this perspective, the fundamental research of this seminar will start from comparing the classic monographs, Sakuteiki (作庭 記) from Japan, and The Craft of Gardens(園冶) from China.

HANDS TO WORK, HEARTS TO GOD. 手は仕事に、心は神に。18世紀後半、アメリカに渡り独自の生活を築いたシェーカー教徒たち。本ゼミでは、その姿を描いた歴史小説”The Believers”の翻訳を通して、人間の生き方について問う。

「戦後空間」とは、日本の戦後の都市や建築、そのほか物理的実体のない制度や思想、言説の総体をくくり出す言葉である。戦後七十二年を経たいま、日本の戦後都市、建築、社会がめざした理念とビジョンを再検討し、未来へと継承すべき普遍的概念や課題を抽出する。

田園都市、シェーカー・コミューン、千年村、家。これらはすべて「ユートピア」の一例である。本勉強会では、多種多様な「ユートピア」の理解を助けるため、ウィリアム・モリス、パトリック・ゲデス、磯崎新らをはじめとする先人の「ユートピア」についての言説に触れ、その経験をもって他のゼミ活動の理解と方針決定に活かすことを目的とする。
過去のゼミ

地球の自律的活動によって地質基盤、そこへ人為によって上書きされた社会造形、両者のあいだに取りもつ具体的計画行為(デザイン)の三者によるすぐれた関係性(=Buildinghood)の構築可能性を理論・実践の双方で研究・発表することを目的とする。

近代建築運動黎明期を代表する建築家、アドルフ・ロース。彼の残した論考は160を超え、批評範囲は建築に留まらない。本ゼミはその全論考の邦訳および研究を行い、公刊する。

埼玉県本庄市にのこる煉瓦倉庫の改修プロジェクト。実測や史料調査、それをふまえた改修設計、さらには予定されている歴史展示の企画まで、ながい時間をかけて取り組んでいる。

今和次郎が訪ねた民家・集落調査地を、約90年後のいま再訪する旅。 民家研究の嚆矢となった柳田國男、佐藤功一による「白茅会」に敬意を払うキャラバン「瀝青会」(れきせいかい)は、今日も次の調査地に思いを馳せています。

このゼミは、建築家クリストファー・アレグザンダーの未邦訳著書『THE NATURE OF ORDER』の翻訳作業を通して、常に時代をリードしてきた著者の最新の建築理論に迫ろうとするものである。